「メロンとハンモック」 Oil on canvas 112.0 x 145.5 cm 2024
この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは2024年10月19日(土)より、弊廊では初となります近藤亜美による個展「 untitled 」を開催いたします。
「十年一昔」という言葉が感覚として合わないように感じる程に、世の中の変化のスピードの速さは、多くの人が感じている事だと思います。
経済、テクノロジー、環境、そして人と物が複雑に絡み合いながら流れていく日常は、ふと振り返ってみると、知らず知らずのうちに大きな変化があったんだという事実を突き付けられ、恐ろしさを感じることもあります。
私たちは外的な影響を受けながら、出会いや別れ、また古い物を捨て、新しい物を買い、引っ越しをするなど環境の変化に合わせて、必要とする人や物、場所、生活リズムが変化していきます。
そうした無意識の内にバランスをとりながら生活をするための選択の積み重ねを、近藤は「囲い」と呼んでいます。
日々の生活の中で目にしたものをモチーフとし、描きたいものを選択し必要でない視覚はイメージに置き換え再構成し、絵画の画面でしか成立しないモチーフのバランス(自律性)を見出すように描く近藤にとって、それは絵を描くときに似ていると言います。
しかし、時代の変化の激しさは取捨選択の時間を奪い、無意識の内に選択の頻度が増えることで、ある意味バランスをとることに慣れ、慣れは「囲い」を守ることができますが、その一方で外(他者)との対話が難しくなります。
それでも近藤は、見たふり、感じたふりのままにはせず立ち止まるきっかけが、完成した絵画にあると信じています。
近藤亜美が、「私と私が描く絵画の関係性や立ち位置」について考え制作した新作の数々を、この機会にどうぞご高覧下さい。
[ステートメント]
置かれた環境や傍にあるものは、常に自分に必要なことやものであり、日々の選択によって囲いが作られている。ここ数年は時代の変化が著しく、無意識のうちに必要なものとそうでないもののバランスを取ることに慣れている気がする。
慣れは囲いを守ることができるが、囲いの外を覗くことは難しくなる。
モチーフは、日々の生活の中で目にしたものを描いている。描きたいものを選択し必要でない視覚はイメージに置き換え再構成している。
“過去”(モチーフ)を“今”描き、筆を置くことでまた“過去”となる。
描く“今”が、囲いの外に向き合おうとする。
近藤 亜美
【開催概要】
近藤 亜美 | Ami Kondo
「 untitled 」
会期:2024年10月19日(土) 〜 11月3日(日)
営業時間:11:00〜19:00
休廊:月曜日、火曜日
〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1−32−17
TEL 03-5726-9985
info@katsuya-susuki-gallery.com
https://katsuya-susuki-gallery.com
東急東横線「都立大学駅」より徒歩5分
近藤 亜美 | Ami Kondo
2000 東京都生まれ
2022 東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻領域 卒業
[個展]
2022 「reflection」(下北沢アーツ/東京)
[グループ展]
2022 2022 muni Art Award展(GALLERY SCENA/東京・神宮前)
2023 「作家は何を見ている?」小津航・葛西明子・近藤亜美 三人展(GALLERY SCENA/東京・神宮前)
2023 「痕跡」近藤亜美・白石効栽(CANDYBAR Gallery/京都)
2023 PARCO Wall Gallery SHINSAIBASHI 第9弾「昨日はどんなARTを観ていましたか?」(心斎橋PARCO館内7ヶ所/大阪)
2023 「IGNITION Japan-Taiwan Exhibition by ArtSticker」10組グループ展(333 GALLERY/台湾)
2024 muni Art Award セレクション展2024 (GALLERY SCENA/東京・神宮前)
[賞歴]
2022 ZOKEI展 東京造形大学卒業研究・卒業制作展 ZOKEI賞ノミネート
2022 muni Art Award 2022 ファイナリスト土方明司賞受賞