寺本 明志 個展「単位のレシピ」

8月
1 Thu 2024
個展

この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは2024年8月1日(木)より、寺本明志による弊廊では初となる個展「単位のレシピ」を開催いたします。

想定外な出来事が次々に起こり、また様々な場面でスピーディーに選択を迫られる世の中で、自分は本当にその事実に正面から向き合ってただろうか。
そして様々な選択の場面で、どのような単位で自分は物事を図り、判断し、選択すればいいのだろうか。
流れていく⽇々の中で、方法を模索し続けていたと寺本は⾔います。

コップ一杯の水と砂糖小さじ一杯。
ドーム3個分の広さと、100万馬力のパワー、そして雀の涙ほどの・・・。

物事を図る単位が大きくなるほど、そして小さくなるほどに、対象が曖昧になり形而上学の世界に入っていく。

地球より重い尊い命、空のように広い心と海より深い愛、そしてライオンハート。

それでも最後は、物事に正面から向き合い、そして自分の単位で考え選択する。
寺本明志は、そうのように素直に考えるに至りました。

「Patio(中庭)」をキーワードに、内側と外側、現実と想像の境界を越えた、人、物そして出来事の関係性を紡いでいく作品を発表をしている寺本明志。
今回の個展は、対象と自分自身の単位でしっかりと向き合って制作した新作が中心となります。

まるで絵巻物のように、「Patio」の中で事象を紡いでいく寺本明志の新作の数々。
この機会にどうぞご高覧下さい。

【 開催概要 】

会期:2024年8月1日(木) 〜 8月12日(月・祝)
休廊:8/5(月)、8/6(火)
営業時間:11:00〜19:00

〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1−32−17
TEL 03-5726-9985
info@katsuya-susuki-gallery.com
https://katsuya-susuki-gallery.com
東急東横線「都立大学駅」より徒歩5分

[Statement]

今、これは人間がやることなのかと思う悲しいことが多く起きていて、対峙している事実にうまく向き合えない。

いや、向き合うことへの自分が進む方向を見つけられない時がある。

同時多発的に起きる物事と目の前に突きつけられることの重さを比べることは難しくて、それを「はかる」というのは果たして同じ単位なのかすらわからなくなる。(しかし、今僕は向き合わなくてはいけない。)

まずは、物とものを比べる前に、自分の持つ単位を確認しようと思う。

絵の下地に溶かす洗濯糊を計るにはペットボトルキャップで5ml
この鍋で沸かしたお湯は、麦茶ポット1杯分とコーヒー1杯分
瓶の半分の水には絵の具を3プッシュ
ナンプラーは思ったより塩辛いから気持ち少なめで
親指と人差し指を大きく開くとパスタ100gつかめて
その指を開くと20センチ

絵の比率は気持ちの良いように全てを無視して
たいがい、こんな感じだろう。

命の重さも、人の人生の長さも、決してはかること、比べることができないけど、
僕はこの自分の知っている(もしくはこれから知る)単位をなんとか駆使して、
この世界に向き合う。

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Patio(中庭)を外と内の境目がない中立なところとし、主要なモチーフとしている。様々なもの・動
物・人を描くことにより、統一性のないものが等価に描かれていく。先に描かれたものを足がかり
に、次に描くものを考え、そこで起きる、ものの重さや事物の距離によって起きる事象との関係性
によって紡がれていく。

今回は、机にあるもの(静物)を描く、つまり、「目の前にあるものにしっかりと向き合うこと」に焦点を当て、展覧会を構成している。正解を見つけるのではなく、机上にあるものが今という起点となること、そして今持っている単位を忘れないよう記すために描いている。

寺本 明志

寺本 明志 | Akashi Teramoto

1992 神奈川県生まれ
2017 多摩美術大学大学院 博士前期課程美術研究科 絵画専攻油画研究領域 修了

2015 福沢一郎賞 受賞
2020 FACE 展 2020 損保ジャパン日本興亜美術賞展 入選
2021 清須市第 10 回はるひ絵画トリエンナーレ 審査員賞【吉澤美香】 受賞
2021 シェル美術賞 2021 入選
2024 FACE 展 2024 損保ジャパン日本興亜美術賞展 入選

【主な展示・活動歴】
2014 個展「Like a those days」(Art space Kaikas’)〔相模原〕
2015 個展「reunion(beyond a field)」(レストラントルバドール)〔たまプラーザ〕
2015 「The newtype/The coast is clear」(ターナーギャラリー)〔南長崎〕
2016-2017 「アタミアートウィーク」〔熱海〕
2016 「Prologue Works」(Art space Kaikas’)〔相模原〕
2016 「Prologue Works / Plan Works」(Art space Kaikas’)〔相模原〕
2016 「Atami Art Week 2017 Prelude!」(Haco-cafe)〔熱海〕
2017 「アタミアートウィーク 2017」(元 置屋)〔熱海〕
2017 「Oasis」(品川インターシティ)〔品川〕
2017 「Super Open Studio 2017」参加 ( 相模原 )
2018 「Naming Method」(Art space Kaikas’)〔相模原〕
2018-2021 「多摩美術大学助手展」 〔八王子〕
2020 「FACE 展 2020」( 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 )〔新宿〕
2021 「Art space Kaikas’ meeting」(Art space Kaikas’)〔相模原〕
2021 「清須市第 10 回はるひ絵画トリエンナーレ」(清須市立はるひ美術館)〔清洲〕
2021 「Art space Kaikas’ market」(Art space Kaikas’)〔相模原〕
2021 「犬も歩けば棒にあたる」(Art space Kaikas’)〔相模原〕
2021 「シェル美術賞 2021」(国立新美術館)〔六本木〕
2022 「ゾンビのいる絵展」(スペースくらげ)〔東林間〕
2022 個展「Patio」(Bambinart Gallery)〔千代田区〕
2022 「隣り合わせ」(KATSUYA SUSUKI GALLERY)〔目黒区〕
2022 「In search of others」(KOTARO NUKAGA)〔天王洲〕
2022 「Ballet meets Art」(KATSUYA SUSUKI GALLERY)〔目黒区〕
2022 個展「冒険と選択」(清須市はるひ美術館)〔愛知県〕
2022 個展「覗いた海」(Art Bar & Guesthouse ennova)〔熱海〕
2023 「隙間の掻き傷」(Penguin’ s House Green)〔相模原〕
2023 「LITTLE SHOP OF ZINES & COFFEE at 江の島」(Gallery & Cafe Gigi)〔神奈川県〕
2023 個展「鳥かごを抜ける水」(コートギャラリー国立)〔国立〕
2023 「ART SESSION SUMMER」(銀座蔦谷書店)〔銀座〕
2023 「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2023」(マリンメッセ福岡)〔福岡〕
2023 個展「花の背を見るとき」(N project)〔大阪府〕
2024 「Artists’ small market for Noto」〔Online〕
2024 「Elsewhere」(大福ストア)〔高田馬場〕