小田川 史弥「 名残の休日 」

2月
15 Sat 2025
個展

「The Lingering Echo of Holidays 名残の休日」
アクリル絵の具、綿布 41.0×31.8cm

この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは2025年2月15日(土)より、弊廊では初となります小田川史弥による個展「名残の休日」を開催いたします。

小田川史弥は日々流れていく何気ない日常を描いています。彼の作品から漂う、うっすらと捉えどころのない不安感や、ちょっと気怠い憂鬱な雰囲気は、観る人の記憶の奥底に触れ、まるで自分の思い出を見ている様な、不思議な感覚に包まれます。そして揺れ動く感情の如くゆったりとしたストロークで描かれた、夢と現の間の様な不安定な作品世界の渦の中に、鑑賞者は懐かしさと共に、ゆっくりと沈むように引き込まれていきます。

まるでフランス映画を見ているような、心地よい気怠さを漂わせた小田川史弥の作品世界。この機会にどうぞご高覧下さい。

[ステートメント]

私が惹かれるのは、怪しげな雰囲気や不可解さを感じさせる場面です。それは、一見すると日常的な光景でありながら、まるで誰かの秘密を垣間見たような感覚をもたらします。私は、制作するにあたって身近な出来事を題材にしながら、それらを暗示や推測を誘い背景の物語を想像したくなるような作品にしています。特に人が誰かと知り合い親密になるとき、その影で別の誰かとの関係が消えていくような感覚に興味を惹かれるのです。その親密さと距離の間に生まれる戯れは、自然と幸福とともに、不安や憂鬱、孤独をも引き寄せる事があります。
私の作品は、曖昧な記憶で形を重なり合わせることで状況を描き出すため、そこには特定の答えが存在しません。そして絵の中で生まれる説明のつかない感情や記憶は、あくまで可能性のままであり続けます。
今回の個展では「終わることが名残惜しい休日」が描かれています。その物語の中の秘密や矛盾の美しさに強く惹かれ、私もその揺れ動く色彩の中で、一人ゆっくりと取り残されていくようです。

小田川史弥

【開催概要】

小田川 史弥「 名残の休日 」

Fumiya Odagawa – The Lingering Echo of Holidays

会期:2025年2月15日(土) 〜 3月2日(日)
営業時間:12:00〜19:00
休廊:月曜日、火曜日

〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1−32−17
TEL 03-5726-9985
Mail info@katsuya-susuki-gallery.com
HP  https://katsuya-susuki-gallery.com
東急東横線「都立大学駅」より徒歩5分

小田川 史弥 | Fumiya Odagawa

1996  神奈川県生まれ
2018  東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業
2020  東京藝術大学 大学院日本画専攻 修了

[主な展示歴]
個展
2019  小田川史弥個展(美の舎/東京)
2021  小田川史弥個展 (数寄和/東京)
   「昼の流星」(薬膳カレー&薬膳料理 香食楽/東京)
2022「丁寧に夜をならべて」(MAKII MASARU FINE ART/東京)
2023「手ではかる距離」(子の星/東京)
2024「午後」(Gallery IRRITUM Tokyo/東京)


[主な受賞歴]
2015  「金谷美術館コンクール」褒状
          「藝大アートプラザ大賞展」 優秀賞
2016  「SEED山種美術館日本画アワード」 入選
          「石本正日本画大賞展」 審査員特別賞
2017  「耀画廊選抜作家展」 耀画廊賞
2018  「東京藝術大学卒業制作展」サロン・ド・プランタン賞 台東区長賞
        「美の舎学生選抜展」 優秀賞
2020  「東京藝術大学修了制作展」京成電鉄藝術賞 
           「ギャラリーへ行こう」数寄和賞
2023  「Muni art award」池永康晟賞

[コレクション]
台東区役所・石正美術館

「嘘のはじまり」
アクリル絵の具、綿布 145.5×112.0cm

「二人の好きなもの」
アクリル絵の具、綿布 41.0×31.8cm