《メグロ》2023年, 木、ステンレス, 17×34.5×13.5cm
この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは12月2日(土)より、弊廊では初となります青木悠太朗による個展「他山の石」を開催いたします。
自分が実際に目にした風景や空間、現象を解釈し、木材や金属などの身近な素材を使いミニマルな造形作品を生み出す青木悠太朗。
自身を取り巻く環境が大きく変わった事により、今まで以上に様々な事を感じ、そして考える機会が増えたと青木は言います。
そんな日々は、自身の制作にどのような影響を与えてきたのでしょうか。
その答えが、今回の個展と言えるでしょう。
新たな一歩を踏み出した青木悠太朗の新作の数々を、この機会に是非ご高覧下さい。
[開催概要]
青木 悠太朗 個展「 他山の石」
Yutaro Aoki Solo Exhibition ”a whetstone for the wits”
会期:2023年12月2日(土)〜12月28日(木)
営業日:水曜日〜日曜日
休廊:月曜日・火曜日
営業時間:11:00〜19:00
〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1−32−17
TEL 03-5726-9985
Mail info@katsuya-susuki-gallery.com
HP https://katsuya-susuki-gallery.com
東急東横線「都立大学駅」より徒歩5分
[ステートメント]
家庭内や親族間、あるいは親しい男女間であっても、当事者たちだけでは解決しえない揉め事が生じてしまうことはよくある。自分自身もまた生活環境の変化によって、親族間の関係性の歪さや気持ち悪さなど、表に出ない裏の面に気付くことが多くなった。
今回展示するのは、そのような環境下での日常に対する価値観や、純粋な美しさへの反応に基づく作品群である。個展タイトルの「他山の石」とは故事成語の一つで、「他山の石以て玉を攻むべし」という意から、「よその山から出た粗悪な石でも自分の玉を磨くのに利用できる」という意味で利用されるたとえである。
私の親族間では実際に、祖母が誘拐されたり、自宅に不法侵入されたりすることがあった。言い方を変えれば誘拐ではなく「お出かけ」、不法侵入ではなく「実家に帰っただけ」というように、解釈次第で事件とも日常とも受け取れてしまう。
そうした落ち着かない生活環境の中で、何気ない会話やコミュニケーションに敏感になってしまうようになった。一方で、ささいな気づきや瞬間的なものの動きの美しさがより目にとまるようになる。ある時、人の手からコインが転がり落ちる瞬間に出くわした。落ちた音に反射的に振り返ったとき、弧を描いて転がるコインの様子が美しく見えた。それは後から思えば、コインを貨幣として認識することから解放されて、その素材や形の特徴が見えたことに感動したのだと思う。物を落とすという小さな出来事も事件であり、それ自体が日常の一部とも言える。
私の周りの出来事においても事件と日常の区別が曖昧で、それらすべてを日常として考えられるのかは疑わしい。なぜならば、起きた事柄を振り返ると十分に事件と言えるからだ。人間関係に亀裂が生じるような事態が起きたとしても、自分に近い存在の場合は「身内のことだから」と言われると、気持ちが有耶無耶になってしまう自分がいる。
そしてその出来事を「他山の石」としていけるのか、私自身が誰かの砥石にされてしまうのかは定かではない。
青木 悠太朗
青木 悠太朗 / Yutaro Aoki
[略歴]
2013 東海大学大学院芸術学研究科造型芸術専攻 修了
2011 東海大学教養学部芸術学科美術学課程 卒業
[個展]
2021
「double」 MONO.LOGUES (東京)
「東京遊牧生活」 art gallery closet (東京)
2020
「Quien sabe」 板室温泉大黒屋 (栃木)
2019
「Puerta del cielo 空の扉」 Studio Block M74 (メキシコシティ)
2018
「Madera para cosechar」 CASA EQUIS (メキシコシティ)
2017
「Oasis」 nap gallery (東京)
2016
「青木悠太朗展」 板室温泉大黒屋 (栃木)
2015
「青木悠太朗展」 ギャラリーUDONOS (静岡)
「青木悠太朗展」 ギャラリー現 (東京)
[グループ展]
2023
「みつめる」簗田寺 (東京)
「マツモト建築芸術祭」下町会館 (長野)
2022
「出張モノローグス at ガスボン #1」GASBON METABOLISM (山梨)
「温泉大作戦」青山 | 目黒 (東京)
「CORE part7」tagboatgallery (東京)
「斜と風」KATSUYA SUSUKI GALLERY (東京)
「tagboat Art Fair 2022」東京ポートシティ竹芝 (東京)
「grid」biscuit gallery (東京)
2021
「TAGBOAT AWARD SELECTS」tagboatgallery (東京)
「The 16th TAGBOAT AWARD」渋谷ヒカリエ CUBE1,2,3 (東京)
「みつめる」FEI ART MUSEUM YOKOHAMA (神奈川)
2019
「El castillo de los ladrillos rotos」guadalajara90210 (メキシコシティ)
「El jardin de Galileo」guadalajara90210 (メキシコシティ)
2018
「草原小品展」ギャラリーKINGYO (東京)
「SHIBUYA AWARDS 2017 ART部門 受賞作品展」Bunkamura Wall Gallery (東京)
2017
「渋谷芸術祭 2017」渋谷駅構内特設会場 (東京)
「緑と道の美術展」黒川海道緑地 (神奈川)
「草原小品展」ギャラリーKINGYO (東京)
2015
「LOGGER Exhibition」art sea (神奈川)
「見つめる」神奈川県民ホール (神奈川)
「第10回大黒屋現代アート公募展」板室温泉大黒屋 (栃木)
2014
「第50回 神奈川県美術展」神奈川県民ホール (神奈川)
「第2回 大草原展」ギャラリーKINGYO (東京)
2013
「第2回 Derby展」ギャラリーKINGYO (東京)
「青木悠太朗×守屋美加展」人形町Vision’s (東京)
「WORKS -8人の仕事-」平塚市美術館 (神奈川)
[受賞]
2021 「The 16th TAGBOAT AWARD」審査員特別賞受賞 (審査員 小山登美夫氏)
2017 「渋谷芸術祭 2017」審査員特別賞受賞 (審査員 小山登美夫氏)
2015 「第10回大黒屋現代アート公募展」大賞受賞