ナカバヤシアリサ「指先を見る」

5月

3 Wed 2023

個展

この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは2023年5月3日(水・祝)より、ナカバヤシアリサによる個展「指先を見る」を開催致します。

ナカバヤシアリサの描く風景には感情がある。

彼女の描く花や木々、水、空、そして大地は、愛し合う姿であり、悲しみに打ち震え、絶望に悶え苦しむ姿であり、そして悦びに包まれる私たちの姿である。
だからこそ、自然の姿を通して生々しい社会の深淵を描いていくナカバヤシアリサの作品からは、人間らしいエモーショナルな雰囲気と、独特な色気を感じさせるのです。

今回の個展ではナカバヤシアリサは、鑑賞者に「見られること」と「見ること」ついて問いかけます。

精力的に作品を発表し続け、Idemitsu Art Award(旧シエル美術賞)での青木恵美子審査員賞の受賞やFACE展2023入選など、多方面で目覚ましい活躍を続けるナカバヤシアリサの新作の数々。
この機会に是非ご高覧下さい。

《ステートメント》

『指先を見てください』と言われたら、あなたはどこを見るでしょうか。

人は自分自身や周りの世界を見るとき、それぞれの独自の視点や感覚を持つ。
同じ対象（指先）でも、見る角度や位置によっても見える景色や形は異なってくるだろう。
また、「指先を見てください」と言われたとき、
あなたは人の指を見るのか、自分の指を見るのか、
その視点によっても見えるものが異なるだろう。

ナカバヤシが描く絵画の中の身体たちは、
見られる対象なのだろうか、それとも主体性を持って自己を見下ろしているのか。

私たちの身体や自己について考えるとき、自分から見た姿と他者から見た姿、
どちらも同一人物であるということを私は忘れてはならないと思っている。
自分の見ている部分や形ですら、相手から見た場合には一部分や一箇所、断片でしかなく、
それすらも見る角度を変えれば全く正しくないかもしれない。

植物が身体（彼女や彼）であるとすると、あなたが大木（彼女や彼）を見上げたときと大木自身が自分の身体を見下ろす時で見える形や景色は異なるだろう。（そもそもどの部分に目があるのかはさておき）

人から見られることに対してすごくネガティブであったり、
醜形恐怖症であったとしても、
人からは美しいと思われていることもある。

自己から見た姿と他者から見た姿どちらもその人ではある。

この展示をきっかけに、「見られること」や「見ること」に対して対象物と向き合い、
自己をさまざまな角度から見つめ直すことにより、
他者に対してもより多面的な視点を持つ機会が増えれば嬉しい。

1992年東京都新宿区に生まれる
2017年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業
2018年相模原にある共同スタジオ「LION」加入
2022年相模原にある共同スタジオ「アトリエボイス」で制作中

［個展］
2019 「Cross Section Portrait」 / LAUNCH PAD GALLERY / 横浜
2022 「静かなる森」 / BankART Under35 2022 / 横浜
2022 「流るるところ」 / GALLERY KTO サブスティテュート / 渋谷
2023 「A地点から」 / ビーク585ギャラリー / 大阪

［主なグループ展］
2015 「メンヘラ展special」 / TAV GALLERY / 阿佐ヶ谷
2016 トーキョーワンダーシード / トーキョーワンダーサイト / 渋谷
2020 二人展「見てわかるもの」 / rusu / 目黒
2021 「超たまたま18」 / KOGANEI ART SPOT シャトー2F / 小金井
2022 100人10 / 東京ミッドタウン / 六本木
2022 Idemitsu Art Award展2022 / 国立新美術館 / 六本木
2023 FACE展 2023 / SOMPO美術館 / 新宿
2023 Now You Know!Vol.3 / Whimsy Works Gallery / 台北
2023 liminal / Gallery TK2 / 日本橋
2023 WHAT CAFÉ EXHIBITION vol.25 / WHAT CAFE / 天王洲

［受賞］
2016 トーキョーワンダーシード入選
2022 BankART Under35 採択
2022 100人10 採択
2022 Idemitsu Art Award 青木恵美子審査員賞受賞
2022 FACE 2023 入選

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